鎌倉朝日新聞 (12月1日号 2023年 第537号)

鎌倉朝日新聞社

村岡・深沢地区の都市計画(2022年3月鎌倉市)

村岡新駅周辺の土地区画整理事業

国が事業計画を認可

JR東海道線の大船―藤沢間に計画されている「村岡新駅(仮称)」設置と連携した土地区画整理事業が、このほど国土交通省から事業計画の認可を受けた。これにより、藤沢市と鎌倉市で、新駅の駅前広場や道路、公園などの整備が始まり、大規模な新しいまちづくりが一歩を踏み出す。 認可は10月30日付で、施行者は独立行政法人都市再生機構(UR都市機構)。清算期間を含めた事業期間は2038年度までで、事業費は約345億円。 新駅周辺にあたる藤沢市の村岡工区は約7ha。新駅南北の駅前広場や周辺道路の拡幅、公園の整備などをする。近くには武田薬品工業が自社研究所を外部に開放してつくった、ヘルスイノベーションパーク「湘南アイパーク」や湘南鎌倉総合病院があり、ヘルスケア産業の集積が進んでいる。 鎌倉市の深沢工区は、湘南モノレール湘南深沢駅の西側から柏尾川東岸にいたる約31 ha。鎌倉市役所本庁舎の移転候補地を含み、湘南深沢駅前の広場や商業施設、宅地、公園などの予定地を、拡幅・整備した道路で結ぶ。 ところが、中核となる市役所本庁舎の移転計画はまだ本格的に動き出していない。移転のために必要な「鎌倉市役所の位置を定める条例の一部を改正する条例」は、昨年12月議会に提出されたが、否決。賛成16、反対10で、可決に必要な出席議員の3分の2に達しなかった。移転先の交通を問題視する意見や、歴史上重要な旧鎌倉地区から本庁舎がなくなることへの異論があるという。28年度を目指していた新庁舎開設は遅れが予想される。 深沢工区にはもともと旧国鉄大船工場があり、その後、JR東日本の鎌倉総合車両センターとなった。03年にセンター廃止が明らかになると、鎌倉市に「深沢まちづくり協議会」が組織され、18年からは村岡新駅と一体の開発を目指してきた。市は、自然や緑を守り、課題解決につながるまちづくりを目標としている。 21年には、新駅設置について神奈川県、藤沢市、鎌倉市、JR東日本で覚書を締結。また県と2市、UR都市機構で「村岡・深沢地区の街づくりに関する基本協定」を結んだ。新駅開業は32年度、全体の工事完了は33年度を目指している。 深沢工区内のサッカー、ラグビー、少年野球などに使われている深沢多目的スポーツ広場は来年1月で利用が終わる。


鎌倉朝日新聞社

スマホ充電レンタル

鎌倉市内65カ所

鎌倉市は、モバイルバッテリーシェアリングサービス「ChargeSPOT」を展開するINFORICH(東京都)と10月31日、災害時のバッテリーの提供などに関する協定を締結した。 市役所本庁舎1階にモバイルチャージャー(貸出スタンド)を設置し=写真、平時はチャージスポットとして利用できるほか、防災情報の配信などを行う。災害時にはバッテリーが無償提供される。利用時は利用者のスマホにアプリをダウンロードする。貸出スタンドはコンビニなど市内65カ所(10月末)に設置されていて、借りた場所以外のスタンドにも返却可。


鎌倉朝日新聞社

鎌倉みほとけ紀行(138)

本覚寺・恵比寿神半跏像(黒えびす)

鎌倉には日蓮宗の格式の高い寺院が多く、鎌倉駅からほど近い小町に日蓮宗本山本覚寺があります。古来、鎌倉幕府の裏鬼門(南西)の守護鎮守として源頼朝公が夷堂(えびすどう)(天台宗系)を造立し夷(えびす)神(じん)(恵比寿神)を祀りました。日蓮聖人も佐渡から帰還した折、一時滞在しました。後年、1436年(永享8)に日出(にっしつ)上人によって天台宗から日蓮宗に改宗し、多くの町衆を導きました。 さて、一般的な恵比寿神の像は、釣り竿を持ち、鯛をかかえて微笑んでいる姿が多いのですが、本覚寺の恵比寿神は「黒えびす」と親しまれ、岩に腰をおろして半跏坐をしておられます。手を合わせ、ややきびしい表情も見せ、黒々と強いお姿です(笑顔にも見えます)。 元々、恵比寿神は「荒々しい神」として信仰され、「世の中を鎮めたその後に幸福が来る」と尊敬され信仰されてきました。やがて、滑川に港が造られ商業が発達すると商売繁盛の夷神とし多くの人々の信仰を集めるようになりました。 正月三ガ日の初えびすは、商売繁盛や五穀豊穣を願い多くの人々で賑わいます。また十日の本えびす(大祭)では福娘の奉仕もあり、福笹を求める参拝客でお正月らしい華やぎがみられます。 本覚寺の黒恵比寿さまはたくましく、そして福々しいお姿で、側にあるだけで、幸せがやってきそうな気にさせてくれます。
寄木造、彫眼、黒塗。像高34㎝。江戸時代。
文  永井宗直
写真 原田 寛


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鎌倉発の先駆的メンタルヘルス対策を

医療ジャーナリスト 佐藤光展

鎌倉朝日の編集の仕事に筆者が時々関わるようになってから、もう5年になる。年末恒例のカレンダー特集を目にする度に、「光陰、矢の如し」を実感して愕然とする。 筆者は全国紙などで新聞記者を25年ほど務めた後、独立した。このうち約20年は本社勤務の医療担当という、異色の経歴である。とはいえ、神戸にいた時には阪神・淡路大震災に直撃されたり、警察担当キャップの年に神戸連続児童殺傷事件(酒鬼薔薇事件)が発生したりするなど大変な目に遭ったのだが、得たものは大きかった。 そして医療記者となり、様々な病気や治療法を取材した。中でも特に力を入れたのが、精神疾患や精神医療の取材。精神科は他の診療科とは明らかに異なり、「医療の名を語る医療ではない何か」である。怪しさや危うさに満ちていて、問題だらけでありながらも、実に人間くさい部分に惹かれていった。 厚生労働省が3年に一度行う患者調査によると、2020年時点の精神疾患の推計患者数は614万8千人(外来586万1千人、入院28万8千人)。日本国民の20人にひとりが精神疾患で治療中ということになる。この年の患者調査から外来患者数の推計方法が変わり、過去の数字との単純比較はしにくいものの、18年前の2002年は推計258万4千人だったので、患者数が異様な伸びをみせていることは間違いない。 なぜこんなことになったのか。「社会の生きづらさが増している」「以前よりも精神科に行きやすくなった」「精神科医が患者を治していない」「精神疾患が過剰に診断されている」など、様々な要因が考えられる。これらが複合的に絡み合い、異常事態を生じさせているのだ。 2011年発表の調査では、精神疾患のために生じる社会的コストは11兆3756億円とされた。この当時の推計患者数は320万人であり、以後の急増は既に書いた通りなので、社会的コストは更に増大しているに違いない。故に精神医療の質の向上は急務なのだが、残念なことに医療技術向上の兆しはない。 精神医学や精神医療の行き詰まりは世界的な問題だ。動物や細胞を用いた長年の生物学的研究の甲斐もなく、精神疾患の多くは今も原因不明で、有効な検査法すらも見つかっていない。どの精神疾患なのかを判断する診断基準(診断マニュアル)も曖昧で、過剰診断や誤診とみられる被害が絶えない。頼みの綱である向精神薬もニセ薬との効果の差が出にくく、副作用の方が大きいことが珍しくない。 ハーバード大学科学史学科のアン・ハリントン教授は、著書『マインド・フィクサー』(金剛出版)の中で、こうした現状を端的に記している。 「1980年代に『生物学的精神医学』革命をもたらそうとした野心的な挑戦は、今では見る影もない。近年、製薬企業の多くは儲けを生み出す新たな向精神薬が生まれる見込みは小さいと判断し、精神科領域から逃げ出しており、生物学的精神医学の権威を頼りに作成された診断マニュアルは、部外者だけでなく、このマニュアル策定に従事していた関係者たちからも攻撃を受けている有様だ」 要するに、科学的根拠が欠けた曖昧な診断に基づく薬物偏重療法では、患者を救えないのだ。では、どうすればいいのか。統合失調症、うつ病、不安症など、精神疾患には多くの病名があるが、いずれも過大なストレスやトラウマが発症に関係している。そして過大なストレスやトラウマの原因は、総じて人間関係や生活環境である。この部分に手を付けぬまま、薬だけ出して治る患者がいるとすれば、それは自己回復力の高さゆえであり、医療の力ではない。 筆者は2024年1月、講談社現代新書から新たな本『心の病気はどう治す?』を出版する。日本を代表する精神科オールスターチームが、薬物療法以外の回復法を詳しく語っているのでぜひお読みいただきたい。 だが、メンタルヘルス対策は専門家だけの役割ではない。人間関係や生活環境の改善は、一般市民の力にかかっている。鎌倉には人と人とが支え合うネットワークが根付き、心を癒す豊かな自然や文化がある。この地で、市民ぐるみのメンタルヘルス対策が花開くことを願っている。


鎌倉朝日新聞社

60年に一度の洪鐘弁天大祭

寺社と地域住民が盛大にパレード

円覚寺の洪(おお)鐘(がね)(国宝)と、その御神体である弁財天を祀る60年に一度の祭礼「洪鐘弁天大祭」が10月29日に行われた。 円覚寺、江島神社と山内の人々が中心になって準備した祭礼行列に約800人が参加した。 行列では、木遣り、約120年ぶりの参加という江の島囃子、威勢のよい神輿、実寸大の洪鐘を再現した張りぼて、愛嬌を振りまく面掛け、稚児行列、様々な衣装の子どもたちなどが次々に通り過ぎ、道の両側から大勢の人たちが見物した。 実行委の関本利男会長は「こんなに多くの人が来てくれた。きょうまで楽しみにやってきた。やりきった」と挨拶。 円覚寺の横田南嶺管長は「地域に支えられることを改めて実感した」とにこやかに話し、江島神社の相原圀彦宮司は「地元の子どもたちの参加がうれしい限り。60年後に思い起こしてくれればありがたい」と期待を述べた。


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両市長と行政職員、友好交流会メンバー

大韓民国・安東市と鎌倉

友好促進協定

「交通安全大使委嘱式及び交通安全キャンペーン」が11月5日鎌倉で行われ、交通安全大使の委嘱を受けた、NHK大河ドラマで源実朝役を演じる柿澤勇人さんらをのせたオープンカーが若宮大路をパレードした=写真。 神奈川県内の交通事故抑止と地域文化の振興を目指し、県警と大河ドラマ「鎌倉殿の13人」鎌倉市推進協議会が共同で行った。 鶴岡八幡宮境内鎌倉文華館鶴岡ミュージアム前で委嘱式あり、警官の制服と帽子姿で現れた柿澤さんは、県警本部・川名愛司交通部長から交通安全のたすきと、委嘱状を受け取った。川名交通部長は「交通事故は歩行中が多く、帰宅時間に目立つ。事故を防ぐために反射材の携帯や着装をお願いしたい」と話した。 柿澤さんは「大使役を拝命するのは初めてで身が引き締まる思いです」と話し、鶴岡八幡宮に三谷幸喜さんと来た時から2年ぶりの鎌倉で、「日ごろ車を運転しているが、ルールを守ること、あせらず、おちついて行動するようにしている」と市民に交通安全を含めた安全な生活を呼びかけた。 パレードでは、鎌倉女子大学マーチングバンド部の先導で、柿澤さんが車から沿道の市民や観光客ににこやかに手を振って応えていた。パレードの後、反射材が配布された。


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県建築士会湘南支部50周年

岩崎駿介さんが講演

神奈川県建築士会湘南支部(小檜山巌支部長)創立50周年記念式典が11月12日、鎌倉商工会議所ホールで開かれた。 同湘南支部は神奈川県建築士会の9つの支部のうちの1つで、1974年(昭和49)に設立され、鎌倉市・藤沢市・茅ケ崎市・寒川町に在住または在勤する建築士によって構成されている。現在の会員は235人。 開会の挨拶で、50周年事業実行委員会の梅澤典雄さんが鎌倉商工会議所の建物が1969年の竣工で、優れた意匠をもつ近現代建造物であると紹介。そのあと、建築家・岩崎駿介さんが『人新世の「建築」』の題で講演した。 岩崎さん(86)は、自分がガーナで教鞭をとったこと、横浜市の都市デザインに関与したこと、国連スラム課長や、日本国際ボランティアセンターの代表として、難民・飢餓・紛争・環境問題などに取り組んだことなどの経歴を話した。64歳の時、「なぜ、世界はうまくいかないか」と疑問を抱えて、茨城県石岡市に「落日荘」と名付けてセルフビルドで造作している自宅の建設を13年以上続けていると、紹介した。 そして、日本や世界のの現状を危惧し、我々は地球環境と開発途上国の人々に負担をかけないように、〝Globalize your heart,Localize your body(心を地球化し、身体を地域化しよう)〟と呼びかけた。


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総合地球環境学研究所所長の山極さんが講演

みどり祭で山極壽一さんが講演

鎌倉女子大学80周年記念事業

鎌倉女子大学(鎌倉市大船・福井一光学長)が今年創立80周年を迎え、記念事業として学内外の優れた研究者を招聘し、10月から12月にかけて各分野で5回の講演会を行っている。 11月の学園祭「みどり祭」では、4日に前京都大学総長で総合地球環境学研究所所長の山極壽一さんが「人間にとって学びとはなにか―ゴリラの眼でみた人間社会 野生に学ぶ『未知の世界』の生き方」の題で講演し、講義室とzoomで合わせて約200人が聴講した=写真。 山極さんはゴリラ研究の第1人者でもある。人間の脳はゴリラの3倍もあり、集団で暮らすことによって大きくなったこと、人間社会にあった移動する・集まる・対話するの3つ自由がコロナによって制限されたが、これから重要なのは、移動社会となって〝所有を減らし、シェアを増加させること、そして“Think Locally,Act Glocally(地域性を考慮しながら、地球規模の視線で考え、行動する)”と話し、「学校は公共財、社会、世界へ開かれている」と締めくくった。 12月6日は「バーチャルリアリティと自己実現」の題で東京大学大学院情報理工学系研究科准教授鳴海拓志さんが講演する。17時40分、同大学大船キャンパス。入場無料。
問い合わせ同大学学術研究所0467・81・4002


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イタリア文化と仏教のコラボ

鎌倉・顕証寺で講座とライブ

昨年の五輪大会でホストタウンとしてスペインセーリングチームの事前キャンプを受け入れた逗子市で11月12日「スペインまつり」が行われ、約7百人の市民が参加した=写真。 会場の逗子文化プラザ市民交流センターとフェスティバルパークでは、スペイン語講師・山田るりこさんのスペインの歴史や建築、食文化などを織り交ぜた講座や、同時開催の「中庭カフェ」には市内のスペイン料理店が出店するなど、スペインの魅力を発信。 4つのフラメンコチームによるステージが披露されると華やかさと迫力に満ちたダンスに観客が拍手をおくった。 一昨年、逗子市はスペインセーリングチームとの交流会などで市民との橋渡しを担うサポーターを約2百人集めた。昨年の五輪で選手らは男子フィン級と同470級で銅メダルを獲得したものの、コロナ禍でほとんど市内での交流の機会を持たないまま今年3月に市民サポーターは解散。その後にホストタウンとしての経験を活かそうとボランティアの実行委が立ち上げられ、今回の催しにいたった。 市民サポーターも務めていたフラメンコ歴15年の龍村恭子実行委員長(42)は「逗子とスペインは人の温かさや地域のつながりが似ている。今後も同国の様々な芸術性を取り入れて続けていきたい」と語った。(K)


鎌倉朝日新聞社

新刊 『銅の軍神ー天皇誤導事件と新田義貞像盗難の点と線』

智本 光隆

1934年(昭和9)に群馬で発生した「昭和天皇誤導事件」と、2010年(平成22)に起こった「新田義貞像盗難事件」をからめた歴史ミステリ―小説。 鎌倉ゆかりの新田義貞に関する作品で、1333年(元弘3)5月22日、新田義貞が幕府との戦いで、守りの固い鎌倉に対し、稲村ガ崎を突破することで攻略、鎌倉幕府を攻略する場面から始まるが、主人公は鎌倉に暮らす女子美大学院生。現代の鎌倉と群馬県を舞台にストーリーが展開していく。 著者は新田氏と南北朝動乱を描いた『風花』で、第14回歴史群像大賞優秀賞を受賞。
1650円(税込み)、郁朋社。


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【寄稿】一年に服を五着しか買わない服飾学生

坂口心菜(大学生)

「THE TRUE COST~ファストファッション真の代償」というドキュメンタリーの上映会がグリーンシネマかまくらで行われた。 2013年バングラデシュで起きた縫製工場の崩壊により問題視されたファッション業界の現状を映しているものだ。 最初にこの映画を観た当時の私は中学二年生で、それまで当たり前のようにファストファッションと呼ばれるブランドで買い物をして、流行のものを何年先まで着るか考えずに買っていた。ところがある日母に勧められて観たこの映画がきっかけで、私は服を買うのは年に5着までにしようと決めた。そして気づけば5年たち、現在私は服装学院の1年生だ。 ファッションとはどう在るべきか、ファッション業界では何が起こっているのか。私はこれからもファッションとの向き合い方について考え続け、広めていきたい。
  ◇  ◇  ◇
グリーンシネマかまくらでは社会や地球の課題をテーマにした映画を毎月2本ずつ上映している。12月は「シード~生命の糧」「戦火のランナー」。日時、詳細、予約はHPから。鎌倉駅東口カトレヤビル2F。


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ミロより優しく ゴッホより激しく ピカソより純真

佐々木眞詩歌全集

鎌倉市在住の佐々木眞さん(79)が詩歌全集を発刊した。2013年の夏から23年の早春までに作った詩を並べた。作品は詩人・さとう三千魚さん主宰のWeb詩誌「浜風文庫」に掲載されたもの。鎌倉での生活のエッセーや家族の会話、短歌も収録。「世界最短詩」として蝶、命、愛などの毛筆書きの文字を挿入。本のタイトル「ミロより…ピカソより純粋」は、「自閉症の親の会」に入っていて、障害児の絵画展をする際にタイトルとして自分が考えたものを使ったという。
2200円(税込み)、らんか社。



【寄稿】新聞投稿が私家版に残せた喜び

酒井 伴美(横浜市 90)

サラリーマンの定年退職後に脳の活性化のために拙文を新聞投稿してきたものがいつの間にか200件を超えていた。朝日新聞44件、神奈川新聞88件、あとは故郷群馬の上毛新聞などだった。生きて来た証を孫子に残したいと思っていた時、銀の鈴社を紹介してもらい、私家版で出版することをお願いした。 銀の鈴社で「絵巻万葉ものがたり」を書かれた阿見みどりさんが私の原稿を丁寧に分類、編集し、「愚草つれづれ」と題して出版してくれた。装丁もまさに万葉絵巻のようで、贈呈した仲間から中身よりも装丁の美しさに驚かされたと言われた。 ところで、私は卒寿の年に立派な遺書が残せたと満足していた時、朝日新聞から取材を受けて出版するまでの経緯をつぶさに聞かれた。実は私はあの戦争で上の兄をニューギニアで戦死させていたので、不戦の思いを強く持っていた。現地慰霊に行った時に、こんな惨い戦争は二度としないことを孫子に伝えて行くことを兄と約束して来た。 朝日新聞には何度か不戦の思いを投稿してきたので取材を受けたのだが、取材した記者が私の思いを「投稿200件 戦死の兄思い、本に/不戦の誓い 子孫に残したい」と題して記事にしてくれた。取材を受けたのは6月だったが、終戦記念日の翌日の8月16日に載ったのでびっくり。自分もさることながら、この記事を見た親戚知人から「あなたが?」と反響が沢山あって、恥ずかしさと嬉しさが交錯した。 正直言うと、私は卒寿を迎えて出版できたものが、朝日新聞が、私の不戦の思いを新聞を通して多くの読者に伝えてくれたことに感謝すると同時に、そのきっかけとなった『愚草つれづれ』を出版してくれた銀の鈴社に感謝するのであった。 不戦の思いが遺書として残せたことを、もうすぐあの世で再会できる兄にこの世の土産話として持って行ける有難さを噛みしめている。


鎌倉朝日新聞社

「ひと」
鎌倉法人会会長を務める

青木政行(あおき まさゆき)さん

各税務署の管内ごとに組織され、税についての正しい知識の普及や経営力を養う法人会。鎌倉市、逗子市、葉山町をエリアとする鎌倉法人会の会長に、6月就任した。コロナ禍で3年間、十分に活動できなかった組織の活性化を図っている。 全国には440の法人会があり、約75万社が加入している。鎌倉法人会にはかつて約2千社が入っていたが、いまは約1200社まで減ってしまった。コロナ禍で事業ができなかったことも、減少に拍車をかけた。 「神奈川県内18の法人会は、みんな会員数がマイナス。これ以上減らさないよう努力をする。個人でも入れる賛助会員を増やしたい」 10月から新しい税制「インボイス制度」が始まった。しかし、昨年までは説明会もオンラインでしかできなかった。 このほか鎌倉法人会ではこれまで、税に関する勉強会や講演会はもちろん、小中学生の絵葉書コンクール、フラワーアレンジメント教室、各地の祭りやイベントへの参加など、多彩な活動をしてきた。青年部会や婦人部会の親睦行事もある。 3年間ほとんど止まっていたそうした事業を、5月から順次再開している。11月には4年ぶりに親睦チャリティゴルフ大会を開き、来年は観劇会なども予定している。 法人会とのかかわりは30年以上。6月22日の通常総会で、8年間務めた副会長から会長に選ばれた。4人の副会長も1人を残して交替し、役員は大幅に若返った。総会には82人が参加し、久しぶりの盛会だった。 生損保の代理店グリンエンタープライズの代表取締役。かつては義兄がオーナーだったタクシー会社の社長を20年ほど務めた。「車はあっても、運転手が足りずに動かせない」と、いまも業界の問題を気にかける。 鎌倉市腰越の生まれ育ち。鎌倉青年会議所の理事長や神奈川県商工会議所青年部連合会の会長も務めた。地元での顔は広い。 鎌倉人の特徴はと聞くと「仲間意識が強いこと」と言う。「悪く言えば閉鎖的。よく言えば結束が固い」。 それだけに、税務署関係者とのつきあいが、昔ほどざっくばらんでないのが残念だ。かつては青年部会と税務署でソフトボール大会などもやったという。 税務署長は1、2年で交代するが、鎌倉税務署で定年を迎える人も多い。税理士を開業し、法人会に加わっている人も何人もいるという。「また新たなつきあいができている」。
1男1女は独り立ちし、妻と二人暮らし。若いころはスキーにのめり込んだが、いまはゴルフ。月に数回コースを回るという。64歳。
(文・写真 真田正明)



終の棲み家を考える(115)

家の外回りのこと

最近よく外壁の塗装営業のチラシがポストに入ります。どれも殆ど塗装屋さんのものです。屋根のカラーベストを塗装する場合は気を付けなければなりません。屋根には勾配がついており、勾配の緩い屋根をそのまま塗ってしまうと必ず雨漏れの原因になります。足場をかけて作業するので樋も点検ができます。壊れている場合等は修理・取り換えが必要で板金屋さんの出番です。壁もモルタルがひび割れたり破損したりしている場合も多く、防水屋さんや左官屋さんの出番です。サイディング等を張っている場合は、板と板を繋いでいる部分がコーキングで処理されています。塗り替える場合は古くなったコーキングを全部取り除いて新しく打ち直す必要があります。古いコーキングの上に打ち増している場合が多く、お勧めできません。家の周りだけでも、屋根屋さん・板金屋さん・防水屋さん・左官屋さん・大工さん・サッシ屋さん・塗装屋さんと多くの業種の人たちが携わっています。その業種の人達をまとめているのが、工務店や建設会社です。家は長く使うものです。一業種の人に頼んで全てできるものではありませんし、責任も発生します。家の外回りは、障子・襖の張替えや、畳の張替えとは違います。
日向建設
鎌倉市大船1―15―3
0467・47・5454
http://www.hyuuga.co.jp/



明日への希望、生活の潤いに

2024年版カレンダー

鎌倉朝日新聞社

鎌倉・逗子の四季

鎌 倉

鎌倉市観光協会の24作目となるカレンダーは、市内で撮影された鎌倉の年中行事や同会主催行事を中心に、四季折々の写真が掲載されている。 1・2月の「新春・梯子乗り」(森﨑清光さん撮影)と「私も大漁旗(小嶋典生さん)、7・8月の「カラフルな短冊」(石井良明さん)の写真はいずれも「鎌倉」プロモーションフォトコンテスト2023の入選作品。テーマは「~また鎌倉で~」。ほかにも表紙や巻末にコンテストの個性豊かな入選作が紹介されている。日干支や、巻末に恒例の鎌倉の社寺の花暦も掲載しているので、鎌倉散策にも役立つ。 SDGsへの取り組みとして、インキや用紙など環境にやさしい素材を使用し、ユニバーサルデザインを取り入れて、誰でも使いやすいカレンダーを目指した。B4判(見開きB3サイズ)、1320円(税込み)。同協会事務所(鎌倉市御成町)ほか鎌倉駅や大船駅周辺などの書店で販売。
同協会0467・23・3050

鎌倉朝日新聞社

鎌倉彩光の裏表紙(部分)

鎌倉彩光

本紙1面「鎌倉みほとけ紀行」でおなじみの“古都グラファー〟原田寛さんの作品集「鎌倉彩光」。 『湘南スタイル』の編集で、鎌倉の四季12景を1カ月ごとに掲載。 表紙は本覚寺のサクラで、4月の六国見山のサクラとどちらもみごと。1月の「稲村ヶ崎・波濤」は富士山と江の島を背景に迫力ある岩を砕く波。6月はしっとりと咲く「長谷寺・アジサイ」、7月は涼しげな「鶴岡八幡宮・ハス」。10月の「七里ヶ浜・ススキ」は海を背景に夕日にススキが黄金色に輝き、12月の建長寺・カエデ紅葉の赤色も際立っている。巻末に「鎌倉の四季花暦」も掲載。 B4ワイド、1870円(税込み)。書店や通販サイトで購入できるが、星月写真企画では原田さんの直筆サイン入りを販売。
0467・23・3694

鎌倉朝日新聞社

逗子旅カレンダー、2024「辰」

逗子市観光協会が2019年から作成している「逗子旅カレンダー」。 2024年版「逗子の魅力を探して」の表紙は富士山と江の島を望む海。逗子湾沖のサンゴ(2月)、仲町橋の川沿いのサクラ(3月)、逗子海岸の大会(5月)、亀岡八幡宮の神輿(7月)、ビーチキャンドル(10月)、東逗子ふれあい広場のXmasイルミネーション(12月)など、四季折々の逗子ならではの風景が楽しめる。 A3判、500円(税込み)。逗子市役所内の同会、スズキヤ逗子駅前店で販売。
逗子市観光協会046・873・1111

鎌倉朝日新聞社

暮らしとともに

湘南モノレール

湘南モノレールのカレンダーは、今年で7回目となる「2023年カレンダーフォトコンテスト」の多数の応募作品から選ばれた入賞作品14点で構成。 表紙の最優秀作品「湘南モノレールで有名な橋脚」(西澤優治さん)は、湘南モノレールで唯一の橋脚を足元から見上げ、コントラストを調整し、空の色を藍色にして雲を強調したという。 12月は夕暮れ時の「家路」(市川拓実さん)から始まり、1月「雪の朝」(長谷田一平さん)、2月「疾走」(小路貴さん)、3月「アップダウン」(矢島崇さん)、4月「鎌倉山の桜」(和田一彦さん)、5月はフジの花で「竜の如く」(関根克義さん)、6月「ピンクの優しさ」(林亮一さん)、7月「秋の気配」(三田村裕さん)は大樹に隠れたモノレール、8月は「数年越しの夏祭り」(矢野拓実さん)、9月「月との邂逅」(山内明徳さん)、10月「ピンクリボンデーの夜」(松山進さん)、11月は朝日を浴びて「今日も元気に湘南モノレール」(桑原浩幸さん)、12月は「夕暮れの輝きに」(花嶋祐治さん)と力作ぞろい。 見開きA3判、700円(税込み)。
湘南モノレール0467・45・3181

鎌倉朝日新聞社
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江ノ電カレンダー

地域の公共機関として生活に溶け込むとともに、観光客にも愛されている江ノ電は、1902年の鉄道開業から昨年、120周年を迎えた。 藤沢市にアトリエをもつ画家湯浅誠さんが描く江ノ電沿線の風景画7点で構成するカレンダーは、今年で13作目。 表紙の「夏潮の鎌高前」、1・2月の「梅見月の御霊神社」、3・4月「長谷の菜の花」、9・10月「曼珠沙華と鉄橋」、11・12月「冬夕焼けの富士」まで四季の移ろいの中で江ノ電と、街並みや自然の風景がダイナミックに描かれている。鎌倉・藤沢の年中行事も掲載。A2判、1300円(税込み)。 本年は卓上版も作製した。壁掛けカレンダーの作品に過去使用した作品をプラスし、表紙と毎月1枚で構成した13枚。絵はがきとしても使える。770円(税込み) 江ノ電主要駅やオンラインショップなどで販売。
江ノ電エリアサービス0466・23・2351

鎌倉朝日新聞社

古に思いをはせて

万葉 野の花

万葉集に詠まれてい万葉集に詠まれている野の花を水彩で描き、万葉歌を添えている。絵と書は鎌倉市在住の野の花画家・阿見みどりさん。 1月はツバキで「あしひきの八(やつ)峰(を)のの椿つらつらに見とも飽かめや植ゑてける君 大伴家持」。3月はワラビで「石(いは)ばしる垂水の上のさ蕨(わらび)の萌え出づる春になりにけるかも 志貴皇子」と、月ごとに野の花が繊細な筆遣いとやさしい色彩で描かれていて、添えられた歌も味わい深い。 卓上カレンダーは意訳・英訳付きで1650円(税込み)。 このほか、和紙を使用したA4判額絵カレンダーは、意訳・英訳付き、880円(税込み)。ミニカレンダーは意訳付き550円(税込み)。
銀の鈴社0467・61・1930

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鎌倉彫カレンダー

江戸時代から明治・大正期にかけて制作された作品を掲載している。 1・2月「松笠香合」は三橋了和(鎌岳)作で彫刻と漆塗りを融合させた鎌倉彫の真髄を感じさせる。3・4月の「菊桐文角火鉢」と5・6月「水鳥形香合」は江戸時代の作品。 7・8月「手刳り双蝶小盆」、9・10月「菊文棗」、11・12月「小箱 桐」後藤運久作など、彫りも文様も塗りもさまざまで、仏師を起源とする鎌倉彫の技量の高さがうかがえる。解説付き。 タテ69㎝×ヨコ33㎝、1550円(税込み)。由比ガ浜の鎌倉彫工芸館や小町2丁目の鎌倉彫会館などで販売。
伝統鎌倉彫事業協同組合0467・23・0154

鎌倉朝日新聞社

鎌倉能舞台

鎌倉能舞台が発行しているカレンダー。  表紙の「安宅」に始まり、「江野島」(1月)、「隅田川」(2月)、「草子洗小町」(4月)、「敦盛」(8月)、「紅葉狩」(9月)、11月「船辨慶」など春夏秋冬の能の名場面が紹介されている。 シテを演ずるのは同能舞台主宰の中森貫太さんと、健之介さん親子。 能面や豪華絢爛な衣装は見応えがある能と狂言について英文で紹介されている。 見開きA3判、1430円(税込み)。
問い合わせ鎌倉能舞台
鎌倉市長谷3―5―13
0467・22・555

鎌倉朝日新聞社

高僧の書と禅語

天下禅林

鎌倉の臨済宗建長寺派大本山建長寺の発行。臨済宗建長寺僧堂柏林室・酒井泰玄老師の揮毫の書で構成。 1・2月の「福禄寿」に始まり、3・4月「雲無心」、5・6月「花無心」、7・8月「瀧自涼風来(瀧自ずから涼風来たる」、9・10月の「日々是好日」11・12月の「担雪填井(雪を担って井を填(うず)む)」で締めくくる。 現代語表記が添えられ、月ごとの同寺の行事予定も記載。書は台紙から取り外して墨書作品として飾ることもできる。 タテ730㍉×ヨコ310㍉。1500円(税込み)。総門左側の朱印所で販売。
建長寺 0467・22 ・0981鎌倉の臨済宗建長寺派大本山建長寺の発行。臨済宗建長寺僧堂柏林室・酒井泰玄老師の揮毫の書で構成。 「童心通祖心」から始まり、1・2月の「晴(せい)好雨(こうう)奇(き)」、3・4月「雲冉々(くもぜんぜん)」、5・6月「水漫々」、7・8月「夏日涼風價千金」、9・10月の「明月清風」11・12月の「先(まずは)今年(今年)無事(ぶじ)」で締めくくる。 現代語表記が添えられ、月ごとの同寺の行事予定も記載。書は台紙から取り外して墨書作品として飾ることもできる。 タテ73㎝×ヨコ32㎝。1500円(税込み)。総門左側の朱印所で販売。
建長寺0467・22 ・0981

鎌倉朝日新聞社

龍驟鳳翔

北鎌倉の臨済宗円覚寺発行のカレンダー。 臨済宗円覚寺派第218世管長横田南嶺老師の揮毫の書画13作。 表紙の「龍驟(りゅうしゅう)鳳(ほう)翔(しょう)」は龍の如く、力強く駆け上がり、鳳凰のように華麗に舞う様子。1月は「安靖(あんせい)」、4月は「常(じょう)行一(ぎょういち)直(じき)心(しん)」、5月「滴翆(てきすい)」。9月は「小言いふ相手もあらばけふの月 一茶」、そして12月「刻苦光明必盛大也」で締めくくられる。 卓上タイプでタテ10・5㎝×ヨコ20・5㎝。 605円(税込み)、境内売店で販売。
円覚寺0467・22・0478

鎌倉朝日新聞社

鎌倉ボンズくん

寺社を中心に鎌倉の魅力を発信するメッセンジャーとして登場したキャラクター「鎌倉ボンズくん」。2022年に誕生10周年を記念して作られたカレンダーで、3作目。 1月たこあげ、2月雪だるま、7月七夕、9月お月見と、日本の四季折々の行事や風景がほのぼのと描かれている。 タテ長A4変形サイズ。綴じはなく、吊るしたり、貼ったり、ラックに立てかけたり、額に入れたりして1枚ずつ掲示するタイプ。付録で「鎌倉の主な行事」の一覧表と、年賀状・夏のポストカード各1枚入り。 1192(イイクニ)円、鎌倉・北鎌倉・大船・藤沢、各駅周辺の書店や通信販売で(売り上げの3%を鎌倉風致保存会に寄付)。 鎌倉・藤沢などの書店で販売。
問い合わせ kamakurakotori@gmail.com

鎌倉朝日新聞社

藤澤浮世絵館オリジナル2024年カレンダー

藤沢市藤澤浮世絵館が藤沢に関連した人物画と風景画の浮世絵を両面にあしらったカレンダーを作製。 1~6月の面は、楊洲周延作 「雪月花 相模 横山の花 照手姫 小栗判官」 遊行寺ゆかりの小栗判官と照手姫が描かれている。 7~12月の面は、二代 歌川広重の代表作「諸国名所百景 相州七里か浜」。 A2縦型両面,400円。
藤澤浮世絵館0466・33・0111

鎌倉朝日新聞社

アート作品

ほっこりアートカレンダー

障害者の就労支援を目的に活動する特定非営利活動法人「道」が運営する障害者福祉サービス事業所「道工房」では、障害の有無に関係なくアートをコミュニケーションツールとして会員たちが独創性あふれる制作に取り組み、毎年カレンダーを作製している。 風雲龍や小鳥、花、紅葉の風景、ウサギのクリスマスなど、どれも豊かな感受性とやさしさがあふれ、「ほっこり」する絵画12作品を集めた。 見開きA3判、900円(税込み)。道ギャラリー、島森書店、有隣堂藤沢店などで販売。収益は絵の作者たちのデザイン料に。
道工房0467・23・8772

鎌倉朝日新聞社

昨年のかまくらカレンダー

かまくらカレンダー2024

鎌倉在住のイラストレーター伊東雅江さんによるカレンダー。鎌倉近郊の名所や建築物が12カ月を彩る。イラストの解説文(「かまくら茶話」)付き。 タテ10・5㎝×ヨコ14・8㎝、1210円(税込み)。 12月中旬ごろから鎌倉市川喜多映画記念館、たらば書房、一翆堂などで販売。

鎌倉朝日新聞社

高橋さんとカレンダー

木版画高橋幸子2024カレンダー

〝心の版画家〟と呼ばれる逗子在住の高橋幸子さん(82)の2024年のカレンダーは生き物と食べ物のほのぼのとした版画。     1月は「あの子とふたりみかんをたべた 雪がふったら楽しかろ」とネコとミカン、5月は「かしわもちたべた 青草のうえで新茶ものんだ」とサカナが2匹。7月はカニ、9月はゾウと続き、12月はネズミがビスケットを食べて「あしたもまたねとあの子はいった」。絵や文字が彩り豊かに浮かび上がっている。 見開きA3判、1100円(税込み)。鎌倉・公文堂書店で販売。
高橋方046・871 ・5074

鎌倉朝日新聞社

里山カレンダー

鎌倉峯山の会」が作製したカレンダーの2作目。 同会は、峯山(標高98m)と常盤山緑地周辺の山桜の保護や散策路の整備のほか、青空保育のサポート役などの活動を行っていて、山仕事の楽しさ、里山の魅力などを伝えている。 活動資金調達のため、同会会員の写真家・小暮こてつさんが年間を通して撮影した峯山の四季で1カ月毎の月カレンダー(写真13枚)を作製。
千円。申し込みは吉田さんzeng@my.zaq.jp


🌸愛読者プレゼント

「鎌倉」を5人、「能」を10人に。往復ハガキに希望カレンダー名と鎌倉朝日の感想、住所、氏名、年齢、電話番号を記入し、1面題字下の住所の鎌倉朝日へ。12月8日消印有効。多数抽選。


鎌倉朝日新聞社

鎌倉てらこや20 周年祝賀会で(左から3 番目が筆者)

心のふる里を行く(55)

「鎌倉てらこや」のこれからの歩み 池田雅之

NPO法人「鎌倉てらこや」が2003年に発足してから今年で20年が経つ。鎌倉生涯学習センターで10月14日、「鎌倉てらこや20周年記念式典」が、関係者の他、多くの賛同者・来賓を集めて開かれた。鎌倉市民の皆さんのお陰とはいえ、こうした市民の教育ボランティア組織がここまで続いて来たことに驚きと感動を禁じ得なかった。 鎌倉てらこやは、姫路在住の精神科医森下一さんの提唱で始まった。森下さんは長いこと、子どもと若者の抱える問題(不登校や引きこもりなど)に向き合ってきた医師であるが、「このままでは彼らの成長が危うい」という強い危機感をもっていた。また子どもや若者には、心からの「感動体験」や「良き人との出会い」が欠けており、若者と子どもたちを「複眼の教育」で見守り、慈しむ必要があるという。 ここでいう「複眼」とは、子ども、若者に注がれる眼差しが、両親と学校の先生だけではなく、地域のさまざまな職業を持った大人たちからも注がれているという意味だ。森下さんは、地域の大人たちも、地域の若者とこどもたちにきちんと向き合うべきだと説いているのである。 鎌倉てらこやは一言でいうと、子どもと若者の育成プロジェクトであるが、地域コミュニティを再生させるためのささやかな試みである。少し大げさに言うと、日本の教育のあり方を抜本的に見直していく草の根的な市民活動といってよかろう。 私は10年ほど前、森下さんと『てらこや教育が日本を変える』(成文堂)という大層うがった書名の活動報告書を出版したが、その帯に「親が育ち、子が育つ そんな地域を創ろう」と謳った。このキャッチフレーズは、家庭と学校と地域を有機的につなぐコミュニティを再生させたいとの密かな願いからであった。人間が育つこの三つの現場を結び、大人世代と若者(大学生)と子どもの三世代を親しく交流させることを願っていたのである。 私のコミュニティ再生論は、今も鎌倉てらこやに引き次がれているといえる。10月の「鎌倉てらこや20周年記念式典」で、スタッフの作成した20年間の活動の振り返りを映像で見せてもらったが、私たちの20年間の活動に間違いはなかったという確信と自負を持てたのであった。 活動に参加している現役の大学生によるパネルディスカッションや上江洲理事長をはじめとするスタッフに、これまでの総括と今後の展望をきくことができたのも収穫であった。 鎌倉てらこやの担い手がかつての早稲田大学の私のゼミ生から地元の鎌倉女子大学、神奈川大学、明治学院大学、横浜国立大学などの学生たちに引き継がれ発展していることも頼もしく思われた。 記念式典の最後のあいさつで、上江洲理事長は「鎌倉てらこやが20年間培ってきたものは、他者に対する思いやり、慈悲の心ではなかろうか」と印象深いことを述べた。 数々のお寺さんからいただいた教えと感化は、鎌倉てらこや参加者たちに慈悲の心を育んできたことは間違いないと思われる。鎌倉てらこや活動は、きっとコロナ禍後の日本を再生させる一翼を担うことになるだろうと確信した。
(早稲田大学名誉教授・鎌倉てらこや顧問)


鎌倉朝日新聞社

だんかづら

ルカくん。スコティッシュフォールドの男の子、2歳。甘えん坊で抱っこが大好き。かつおぶしはもっと好き。寝てるお顔は笑っているみたいです。
 藤沢市善行 赤尾さん方

●ペットの写真募集
掲載後、その写真をカレンダーにして進呈します。
●歌壇・俳壇の投稿
ハガキ1枚に3首(句)まで。住所・氏名・を明記(歌壇・俳壇は作品と同じ面に)、1面題字下住所の鎌倉朝日へ。


鎌倉朝日新聞社

画廊・ギャラリー

●ギャラリー一翆堂
五光窯 魅惑の彩磁器Ⅲ22・3769
●ギャラリー一翆堂
藤本岳英・江里子展 12月2日~2月5日



お知らせ

▼北鎌倉・台峯の緑(しぜん)をともに
▽山の手入れ12月16日10時、山ノ内配水池脇。
▽山歩き17日9時、山ノ内公会堂。北鎌倉の景観を後世に伝える基金
090・6502・2470
●おもちゃ病院鎌倉ドクター募集
こわれたおもちゃを無料で修理するボランティア。御成・笛田に加え、来年4月から大船保育園で開催。実習期間を経てドクターに。月1回、10~15時。見学随時。
大嶋090・8885・1119


鎌倉朝日新聞社

み る

▼特別展「映画監督・是枝裕和のまなざし」
1月14日まで川喜多映画記念館。これまでの軌跡を振り返り、映画界の現在と未来に向けるまなざしを追う。4百円、鎌倉市民無料。
【関連上映】「そして父になる」12月5・8日10時半、6・9日14時/「万引き家族」7・10日10時半、5・8日14時/「エル・スール」6・9日 10時半、7・10日14時。各千円、小中学生5百円。
23・2500
▼特別展「中世寺院の書物─聖教とそのかたち」
月1日~1月21日県立金沢文庫。中世の寺院で書写・印刷された本のかたちに注目し、国宝「称名寺聖教」を紹介。6百円。
045・701・9069
▼企画展「春を待つ─清方が描いた新春」
12月2日~1月8日鏑木清方記念美術館。新春の風情に取材した作品を押絵羽子板とともに紹介。3百円、小中学生150円
23・6405
▼山口蓬春と吉田五十八
12月2日~1月28日山口蓬春記念館。五十八が設計した戦前、戦後の画室に焦点をあて、その空間で生まれた蓬春の名作を展観しながら、二人の交流の軌跡を辿る。6百円。
046・875・6094
▼没後50年大佛次郎展―戦後の仕事
12月2日~1月21日、神奈川近代文学館。戦後の作品を中心に約百点の資料で構成し、大佛の透徹した歴史認識と批評精神を紹介。260円。
045・622・6666
▼Velvet Knot Doll Exhibition 2023「非日常に満たされた日常」
12月4日まで(1日休館)旧足立邸。
非公開の建築遺産の洋館を公開し、アンティークで構成された空間での10数名の作家による人形展。千円。
https://velvet-knot.square.site/
▼「ゆめパのじかん」上映会&クロストーク
12月3日13時半、鎌倉市福祉センター。川崎市の「子ども夢パーク」を取り上げた映画上映後、鎌倉市教委・高橋洋平教育長らのトーク。
市内在住在勤在学者。無料。
鎌倉市基幹相談支援センター soudansien-net@kama-kikan.com1
▼なんみん映画会2023~パレスチナで何が起こっているのか
2月8日18時、鎌倉生涯学習センター。「ぼくたちは見た―ガザ・サムニ家の子どもたち―」上映後古居みずえ監督トーク。無料。
アルペなんみんセンター55・5422
▼十二月に語る平和「飯舘村・べこやの母ちゃん―それぞれの選択」上映会
12月9日13時、鎌倉恩寵教会。福島県飯舘村の女性たちを追った古居みずえ監督による10年の記録。上映後監督トーク。千円、高校生5百円。
鎌倉・岐れ路の会090・9964・3070
▼「うまれる」シリーズ2作品上映会
12月9日あーすぷらざ。生きること、家族の絆を追ったドキュメンタリー。10時「うまれる」、14時「ずっと、いっしょ。」。各5百円。
同館045・896・2121
▼小津安二郎生誕記念120年記念イベント
【展覧会】12月12~19日鎌倉芸術館。「小津安二郎とブンガク」。多くの文学者と交友した小津監督の魅力を日記や手紙などから紹介。5百円。
【特別上映会・アフタートーク】12月12日10時「東京物語」&濱口竜介トーク/14時「秋刀魚の味」&岩下志麻トーク。各千5百円、セット券2千5百円。
鎌倉芸術館0120・1192・40
▼「ユダヤの象徴と蔵書票」展
12月16~24日北鎌倉ギャラリー月(山ノ内207)。蔵書票は、本の見返し部分に貼って、その本の持ち主を明らかにするための小紙片。ギャラリー青騎士所蔵の蔵書票に描かれた暗号とシンボルから、ユダヤ文明を考察する。無料。
22・2913
▼絵で伝えよう!わたしの町のたからもの絵画展~いつまでも住み続けられる町であるために
12月23~25日鎌倉生涯学習センター。市内在住、在学の小中学生の作品展。約270点の応募作の中から入賞作など約170点を展示。主催は鎌倉ユネスコ協会。
▼鎌倉演劇連盟合同公演
12月23日13時半・17時半、鎌倉生涯学習センター。「能ある鷹は爪磨く?!」の上演。1500円、前売千円。
鎌倉演劇連盟090・3508・8292



き く

▼第8回かまくらの風クラシック音楽コンサート「Lumiēre」
12月24日14時、鎌倉婦人子供会館ホール。小川恭子さんのヴァイオリンと神谷悠生さんのピアノで演奏でモーツァルトやベートーヴェンのピアノソナタなど。2800円。
同館22・0507



まなぶ

▼かまくらシニア健康大学「自分らしい人生の〝生き方〟と〝逝き方〟」
12月19日10時、鎌倉深沢学習センター。鎌倉市医師会・宮下明さんの話。
市民健康課61・3977
▼ボランティア入門講座
1月27日10時、鎌倉市福祉センター。ボランティア団体の体験談に学ぶ。無料。
市社協23 ・1075
▼「北条早雲と徳川家康の目指したこと」
1月6日13時20分、鎌倉生涯学習センター。玉縄城の真実を解明する戦国歴史講演会。静岡大学・小和田哲男名誉教授らのシンポジウム。8百円。
玉縄城址まちづくり会議45・7411
▼大規模災害と地域防災・減災・ボランティア 1月13日13時半、鎌倉市福祉センター。西日本豪雨被害の倉敷市真備町の事例を学ぶ講演とパネルディスカッション。無料。
市社会福祉協議会23 ・1075
▼新春講演会「源氏物語」の作者 紫式部
1月20日13時半、鎌倉生涯学習センター。日記や同時代の史料、作品から作者像に迫る。講師は藤原克己東大名誉教授。無料。申込は往復はがきで。
同館25・2030



さんか

▼キャンドルナイト@あーすぷらざ
12月2日17~19時あーすぷらざ。野外クリスマスミニコンサートやキッチンカーの出店。無料。
045・896・2121
▼大船フラワーセンターの催し
▽フラワーコンサート12月3・17日各11・14時。無料。▽夜間開園スペシャルクリスマスコンサート12月17日17時。無料。 入園料4百円。
46・2188
▼あーすフェスタかながわ2023~みんなで育てる多文化共生
12月3日10~17時、横浜みなとみらいの象の鼻パーク。様々な国籍や文化をもつ人々が集まるステージ、ワークショップ、フォーラム、世界のキッチンカーなど。
実行委045・285・0761
▼漁協の朝市
▽鎌倉漁協 12月3日10時、鎌倉パークホテル駐車場。
22・3403
▽腰越漁協 12月7日10時、腰越漁協事務所前。
32・4743
▼ふらっとカフェ鎌倉
誰でも参加できる地域食堂。▽おてら食堂(安国論寺)12月3日12時。▽二階堂デイサービスセンター15日17時半。▽ソンベカフェ20日16時半。
各大人5百円、中学生以下無料。
要メール予約。flatcafekamakura@gmail.com 渡邉方
090・5199・1654
▼逗子の市(雨天中止)
亀岡八幡宮境内。
▽フリーマーケット12月8日8時~14時半。雑貨・衣類・手造り品など約20店。▽骨董市9日7時半~14時半。※フリマ・骨董市出店者募集中。
片岡方090 ・5442 ・3778
▼SU・KI
12月8~10日旧山本条太郎別荘。湘南工科大学総合デザイン学科学生の立体・映像・音響などの作品展示。無料。
同大研究室0466・30・0327
▼旧モーガン邸で楽しむ自然素材のリース作り
12月8日11~14時半、旧モーガン邸庭園広場。庭園内の松ぼっくりや木の実など自然素材を生かした作品作り。庭園ガイドあり。千円。
旧モーガン邸を守る会1122morganhouse@gmail.com
▼第43回かまくら市民クリスマス
12月9日13時半、カトリック由比ガ浜教会。グロリア少年合唱団、清泉小学校児童によるクリスマスの歌、弦楽アンサンブルによるコレッリの協奏曲、カノン等の演奏と礼拝。
かまくら市民クリスマス実行委員会24・7859
▼鎌倉ガイド協会 古都鎌倉史跡めぐり
▽山ノ内・扇ガ谷の紅葉と鎌倉十井を巡る 12月8・11・15日9時、北鎌倉駅東口集合。約3㎞。▽台・小袋谷の古道を巡る 12月12・18・20・22日9時、北鎌倉駅東口集合。約4・5㎞。各7百円。HPから申込。交通費、拝観料等別。
24・6548
▼かながわハートフルフェスタinかまくら
12月9日13時、鎌倉芸術館。人権について考える。華道家 假屋崎省吾さんの講演、横浜国大附中合唱団の合唱、展示など。無料。
鎌倉市地域共生課61・3870
▼鎌倉風致保存会
▽みどりのボランティア 12月9日十二所果樹園、16日御谷山林、各9時半現地集合▽クリスマスリース教室2日▽大佛茶亭公開6日▽歴史ウォーク13日▽みどりウォーク23日
23・6621
▼公園サポーター養成講座はじめてのガーデニング
ガーデニングの基礎と花を楽しむコツを学ぶ連続講座。12月14日・1月11日・2月1日・3月7日、10~12時。鎌倉中央公園。無料。
鎌倉市公園協会45・2750



鎌倉朝日新聞社



第25回かまくら市民活動フェスティバル

~いつものコトをもしものトキに

12月2・3日10~16時、鎌倉生涯学習センター。「まちづくり」や「市民活動」を通じて培った平時のつながりを地域の防災力の向上に活かす、関東大震災から百年の節目のフェスティバル。映画上映、まちづくりと防災をテーマにしたシンポジウム、SDGsフォトコンテスト写真展・表彰式、かまくらファンド報告会、鎌倉FM特設スタジオ生中継、パネル展示、ステージ、物販、バザーなど。
【上映会】防災啓発ドキュメンタリー「いつか君の花明かりには」3日10時。上映終了後、山崎光監督講演。13時シンポジウム。無料。
鎌倉市民活動センター60・4555



第18回鎌倉芸術祭

つむぐ音の和~チェコ音楽の魅力をペトロフとともに Vol.3
12月2・3日14時、カノンハウス鎌倉。4500円。
080・6786・9199
かさぎ画廊50周年記念展 BEYOND JAPAN
12月7~15日鎌倉パークホテル。無料。
かさぎ画廊090・5568・8226
二人展 「ジャポニスム―雅なる日本・かわいいJapan」
12月15~17日長谷別邸。小林鉄斎・能伊親子の写真展。無料。
090・1549・2576
グロリア少年合唱団第32回メサイア演奏会
12月26日17時カトリック雪ノ下教会。3000円。
グロリア少年合唱団045・825・0522


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ナショナルトラストコンサート 2023

音楽で学ぶS D G s13

12月17日13時半、鎌倉生涯学習センター。 SDGs 17項目の中から目標13「気候変動に具体的な対策を!」に焦点を当て、音楽と映像で問いかける。「鎌倉を愛する音楽の仲間」の出演でマルシャークの戯曲「森は生きている」(抜粋)など。2千5百円。
スタジオエスポワール090・2207・0031



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季節の心(84)

辰の勢いを力に… 佐伯 仁

水に関わる辰の年
来年の干支は辰(龍)で十二支の5番目。龍は架空の動物、龍の字源は大蛇の象形文字。 蛇は脱皮し命を蘇らせる不思議な存在。龍も蛇同様、水を泳ぎ、天空へ飛翔。その姿を皇帝と仰ぎ、神として崇めた。 仏教は龍を守護し、降雨・止雨を祈る龍神信仰が盛ん。源実朝は長雨の止雨を願い「時により過ぐれば民の嘆きなり、八大龍王、雨やめたまえ」と詠んだ。 神奈川県立金沢文庫に鱗のある巨大獣が胴体で日本全土を囲む地図が保管されている。頭と尾がないため、動物の正体は不明だが、制作年代は鎌倉末期と推定。 その頃、我が国は蒙古襲来に直面、危機からの守護を願って描いたのではないか。(『龍の棲む日本』黒田日出男・岩波新書) 江戸期、庶民は正月、最初の辰の日に住吉神社へ参拝。商売繁盛、家内安全を祈願。そして自宅の屋根へ水を撒き火災予防を願った。 辰と水の関わりは明らかだが、十二支の辰の刻は午前8時頃、朝の陽ざしが一層、輝く時。 辰年生まれはロマンを胸に行動する性格。来る年の躍進を祈る。
初辰や 出初この方
 晴るる富士  増田龍雨



購入新図書のリスト抄

鎌倉市中央図書館(10月分)

鎌倉市中央図書館(25・2611)は10月に一般210冊、児童書18冊を収蔵した。一般的なものは下記の通り。 ▼「スマホ時代の哲学-失われた孤独をめぐる冒険」谷川嘉浩著 ディスカヴァー・トゥエンティワン ▼「ポスト・ファシズムの日本-戦後鎌倉の政治文化」ローラ・ハイン著 人文書院 ▼「足利義満」森茂暁著 KADOKAWA(角川選書) ▼「るるぶ横浜鎌倉中華街‘24」JTBパブリッシング(るるぶ情報版)▼「京都-未完の産業都市のゆくえ」有賀健著 新潮社(新潮選書)▼「早期退職時代のサバイバル術」小林祐児著 幻冬舎(幻冬舎新書)▼「ひとりでやらない育児・介護のダブルケア」相馬直子著 山下順子著 ポプラ社(ポプラ新書)▼「発酵食品と戦争」小泉武夫著 文藝春秋(文春新書)▼「人体最強の臓器皮膚のふしぎ-最新科学でわかった万能性」椛島健治著 講談社(ブルーバックス)▼「鎌倉の名建築をめぐる旅」内田青蔵著 中島京子著 エクスナレッジ ▼「世界最高峰の研究者たちが予測する未来」山本康正著 SBクリエイティブ(SB新書)▼「柳宗悦と民藝の哲学-「美の思想家」の軌跡」大沢啓徳著 ミネルヴァ書房(人と文化の探求)▼「川端康成の運命のひと伊藤初代-「非常」事件の真相」森本穫著 ミネルヴァ書房(人と文化の探求)▼「長生きはメンタルが9割-心と体の寿命をのばすストレスのない生き方」和田秀樹著 徳間書店 ▼「マティス 画家のノート」マティス著 みすず書房


鎌倉朝日新聞社

第1回はやまエシカルパートナーオフ会

エシカルな葉山を世界へ発信

事業者や町民団体が意見交換

葉山町がSDGs達成のために町民や事業者と連携して推進する「はやまエシカルアクション」。自然環境や人・社会、地域を思いやる行動を産官民の協働で進める取り組みは「はやまクリーンプログラム」の一環として昨年6月から始まっている。 「倫理的な」という意味の「エシカル」の概念は、持続可能な社会を実現させるための企業や個人の行動項目を示し、町は「はやまエシカルアクション」に賛同する事業者・団体のうち29の団体を「はやまエシカルパートナー」として登録。その中から14団体が参加する初めての「オフ会」が10月24日町教育総合センターで行われ、お互いの活動報告やグループワークで親睦を図った。 2009年から湘南国際村めぐりの森で約7万本の植樹を行ってきた「Silva(シルワ)」の報告に始まり、64年前の上皇上皇后陛下御成婚記念に町民に配られた苗木から育った夏みかんの活用に取り組む「葉山夏みかんプロジェクト」、すべての子どもが自分らしく生きられる社会を目指した「発達サポーター講座」の開講で200人以上の実績をもつ「わかり・あ」、環境課と協働でごみ問題に取り組む「OK!ゼロウエィスト」などの発表が続き、社会福祉法人と共に菓子の製造販売を13年営む「3pm・さんじ」からは、個性や多様性を打ち出す福祉事業所との協働製造や、地域の生産者とつながることの強みがアピールされた。 5団体の活動報告の後は、3班に分かれて「エシカル消費」をテーマに持続可能な社会のための消費行動について意見交換が行われた。 参加者から「プラスチックの容器包装が多すぎるが、製造者の立場では食品包装など衛生面でどうしても使わなければならないものもある」「子どもへの教育が重要」「安さだけではない価値を買うことが葉山ブランド」「人と人との接点が近いこの町ならば他よりもエシカルを発信していく力があるのでは?」などの意見が集まった。 今後もオフ会や毎年3月に開催を予定しているシンポジウムを軸に葉山発のエシカルアクションを通して「環境の町葉山」を世界へ発信していく。 (K)


鎌倉朝日新聞社

漁師さんの船が海のタクシーに

小坪漁港の漁師と逗子市が実証実験

小坪漁港の漁師と逗子市による「小坪漁師タクシー」の実証実験が11月3日に実施され、48人が小坪漁港から田越川河口の渚マリーナへの直行便や、逗子湾~葉山沖の名島を巡る遊覧コースを楽しんだ=写真。 今回の実証実験は、磯焼けによる漁獲量の減少やそれに伴う漁師の収入減に対する所得向上、漁港の賑わいづくりを目的とし、渋滞のない海のルートによる交通手段や遊覧として漁船を運航し、漁のない時間帯を有効活用しようとしている。逗子の海の新たな魅力発見につなげようと漁師たちの意気込みも強い。 料金は、田越川河口の渚マリーナへの片道(10分)が千円、小坪発着の遊覧コース(30分)は2千円で一隻に4、5人が乗船できる。 特定小型船舶操縦免許を取得し、安全講習を受けた7人の漁師が「小坪漁師タクシーチーム」を編成し、当日は2隻の船が初めての運航日を迎えた。 遊覧コースに乗船した小坪在住の50代夫婦は「滑るように海上を走る船の乗り心地は最高だった」。9歳の男児を連れた親子は「20年来小坪に住んでいるが海からの景色を見たのは初めて」と新鮮な感動を共有していた。 市は来年には事業としての運用開始を目指しており、小坪漁業協同組合の嶋六三(むつみ)さん(76)は「普段なかなかできない海から逗子を見る体験を市民の方にお勧めしたい。将来的には藤沢の片瀬や葉山の真名瀬などとも往復できるような便ができれば各漁協との協力関係でさらに効果が広がるのでは」と期待を膨らませていた。


鎌倉朝日新聞社
鎌倉朝日新聞社

作品の前で大竹さん

古民家で舞踏や音楽とコラボ

日本画家大竹正芳さん

鎌倉在住の日本画家・大竹正芳さんが龍寶寺境内の旧石井家古民家で開いた「アライアンス(提携)とシナジー(相乗効果)展」期間中の11月11・12の両日、公演が行われた=写真。 この古民家は、江戸時代初期の民家を移築したもので国の重要文化財に指定されている。古民家の内装に合わせて大竹さんのウサギや鯉、バラやコスモスなどの日本画が飾られ、木の枝の額の中に、和紙に描かれた詩(池吉乃さん作)もあった。その中でダンスや音楽のパフォーマンスが繰り広げられ、独特の雰囲気を醸し出した。 大竹さんは「それぞれ異なったジャンルと合わせて相乗効果を演出した」と話していた。 10月から12月まで行われている「鎌倉芸術祭」の一環。



冬を彩るイルミネーション

▼鎌倉駅東口イルミネーション
12月1日~2月14日16~24時。鎌倉駅東口ロータリー~若宮大路周辺。鎌倉表参道商店会
▼長谷寺紅葉ライトアップ
12月3日まで、日没~18時半。拝観料400円。
長谷寺22・6300
▼大船フラワーセンター 夜間ライトアップ
12月16日20時閉園、17日19時半閉園。園内各所。入園料400円
46・2188
▼湘南江ノ島駅イルミネーション
2月29日まで、終日。湘南江の島駅館内。
湘南モノレール45・3181
▼湘南の宝石 (江の島島内各所。シーキャンドル、サムエル・コッキング苑、岩屋は入場料別)
2月29日まで、平日・年末年始17時~20時。土日祝・12月22日~30日17時~21時。(1月6日~2月29日は点灯17時半~)
0466・25・3525
▼新江ノ島水族館 ジュエリウム
2月29日まで。開館~21時。
0466・29・9960
▼テラスモール湘南 Terrace Mall Shonan Xmas Illumination 2023(JR辻堂駅)
12月25日まで、17~23時。
0466・38・1000
▼東逗子イルミネーション2023
1月31日まで、日没~22時。東逗子駅前ふれあい広場。
逗子市商工会046-873-2774


鎌倉朝日新聞社

スケッチ日和(72)

「一色郵便局」 黒川 明

絵になる建物というものがある。立派だから絵になるという訳ではない。造形的な魅力に加えて、人間を感じさせる建物が絵になる。建てた人、守ってきた人、そこに暮らす、また通り過ぎた人、そういう人々の魂のようなものが建物を絵になる存在にする。 葉山一色郵便局は国道沿いに建つ洒落た建造物。背景に大きな建物はなく、高い空が似合う。開局は明治、すでに百年以上を葉山のシンボルとして建ち続けている、絵になる建物だ。
水彩 31×41㎝



鎌倉年中行事

12月

▼成道会 8日建長寺、円覚寺。お釈迦様が悟りを開いた日。
▼御鎮座記念祭・御神楽 16日17時 鶴岡八幡宮
▼歳の市 18日10時頃~20時頃、長谷寺参道。
だるまや熊手の縁起物、しめ飾りなどの露店が並ぶ。17時~拝観無料。
▼大祓・古神礼焼納祭 31日11・13・15時、大祓。
16時、古神礼焼納祭。鶴岡八幡宮。
▼除夜祭 31日17時、鶴岡八幡宮。
▼除夜の鐘のつける寺
大船観音寺、浄光明寺、青蓮寺、瑞泉寺、東慶寺、、満福寺、妙本寺、薬王寺、建長寺、光明寺、浄智寺、杉本寺、長谷寺(事前予約制)、龍宝寺など。


プロムナード

友人が七五三の子どもの写真を見せてくれました▼お寺の境内で綺麗に撮影されていた写真に友人もご満悦だったので、「その後、どこの神社に参拝したの」と尋ねると、不思議そうに「ん? ここのお寺に行って写真を撮っただけだけど」と言われました▼調べてみると「神社では氏神様に。寺では仏様・ご先祖様へのご報告となるために何も問題ない」ことを初めて知りました▼僕の認識では紅白は神社で、黒白は寺というイメージだったので、大きな衝撃とともにイメージを塗り替えられることとなりました▼年末の歌合戦も紅白だけでなく、懐メロを中心とした黒白を開催してもらえたら4世代で過ごす予定の僕としては嬉しいです。 (N)


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